さつき会奨学金委員会News 2月号第2号

「東京大学職員の方のさつき会奨学金によせる同窓生としての思い」ご紹介

今年は全国的に大変厳しい寒さの冬となりました。
一日も早い本格的な春の訪れが待たれます。
2月26日現在 さつき会奨学金へのご寄付は 皆様のご協力のおかげで 総額2779.7万円となりました。
医学部、薬学部といった6年の学部に通う学生も入れて 今後5年間継続して3人に毎月3万円の給付をしていくという第一目標までには あと201万円です。
去年4月、奨学金委員会発足の時、ぜひ実現させたいという思いは切でしたが、一方で、厳しい経済環境の中で、本当に可能だろうかという不安があったのも事実 でした。
第一目標の実現が近いことを これから給付を受ける学生たち、そして皆様とご一緒にあらためて喜びたいと思います。
給付を受ける学生3名を4月下旬頃にはご紹介できると思いますので、お待ちください。

さつき会奨学金設立以来、東大本部の職員としていろいろ関わって下さっている黒野優菜さん、奨学金について個人的にも感慨をお持ちになっていることが お 目にかかる機会に強く感じられました。
黒野さんに 個人としての立場から さつき会奨学金についての感想を伺いました。

以下が 黒野優菜(2007年文学部卒)さんのお話です。

「現在、東大職員として『さつき会奨学金基金』の渉外活動をしておりますが、大学の職員を希望したきっかけが「奨学金を支給する部署の職員になりたい」という思いからでした。私は神奈川県の県立高校の出身で、経済的に豊かではない家庭環境を考え「大学に行くなら、授業料の安い国公立の大学を目指そう」と考えました。家庭の経済状況が苦しい学生ほど、特に国公立の大学を選ぶと思います。一方で「大学受験を一生の中で一回の大きな挑戦にしたい」と考えていたので「最難関と言われる東京大学を目指してみよう」と思ったのが高校1年生の時でした。3年間の勉強で何とか合格は出来たのですが、経済的な問題はつきまといました。その後、実際に奨学金担当部署の職員になって、学生の需要に対する給付型の奨学金の少なさを痛感しました。貸与型の奨学金は返済に10年以上かかる場合もあることから、本当に苦しい学生は給付型の奨学金を探すのですが、その数は十分ではありません。東大基金事務局の配属になってすぐ「さつき会奨学金基金」のお話を頂き、まさに学生の需要にあった有難いお話と感激しました。
経済的な問題を乗り越え、自分の新たな可能性に挑戦したいと東大に挑もうとする、女子学生への支援の輪を広げていきたいと思っております。」