8/9(土)「東大女性のメンタルヘルス講座~最近、ちょっとしんどいかも…と思っているあなたへ」開催報告

8月9日、講師に、東大大学院教育学研究科、臨床心理学コースの高橋美保教授を迎え、「東大女子のメンタルヘルス講座」を開催しました。参加者はオンライン22名、会場参加9名の計31名。さつき会は5名が運営を担当しました。

まず、メンタルヘルスの定義について、「精神障害がない状態」だけでなく、「生活上のストレスに対処し、能力を発揮し、学習や仕事に適応し、地域社会に貢献できる精神的に well-being な状態」であると説明がありました。また、人は青年期から老年期にかけてアイデンティティの確立と再確立を繰り返す存在であり、悩むことは成長のために自然で必要なプロセスであるとのお話が印象的でした。

ストレス対処法の一つとして紹介されたのが「Doing Mode」と「Being Mode」の考え方です。私たちは無意識のうちに過去や未来にとらわれる「Doing Mode=自動操縦状態」に陥りがちですが、「Being Mode=今この瞬間に注意を向ける状態」に切り替えることで、自分の感情に巻き込まれず距離を取って観察できるようになると解説されました。

今回の講演を通じて、「頑張りたい人ほどストレスは避けられないため、心の健康は日常的に語りケアすべきである」「心の健康について学び主体的に対処できる力の大切さ」といった学びが得られました。

参加者からは「カウンセリングにかかるタイミングを計りかねていたが、安心できる言葉を聞けて心強かった」「自分の悩みに近い悩みを持ち、それを乗り越えてきた先輩方の経験談に励まされた」「オンラインでも参加できてありがたい」などの声が寄せられました。

初めて心の健康というセンシティブながら重要なテーマを扱い、前向きな情報共有の場を実現できた今回。講師と参加者、そして運営に関わった全ての方々に感謝申し上げます。
(石川智子 イシカワサトコ 2022 教育学研究科臨床心理学)