4/26(日)根津美術館 レクチャー付き鑑賞会報告
「燕子花」とだけ出てきたら「読めない。何だっけ?」と思ってしまいますが、「尾形光琳の燕子花図屏風」と書いてあれば「ああ、あの絵だ」と思い浮かびます。まだ本物を観ていなかったこの名画が根津美術館で展示されるタイミングで、美術史がご専門の伊藤紫織さん(1992年文学部卒)のレクチャー付き鑑賞会が開かれるというイベント案内をいただき、大喜びで申し込みました。
4月26日(土)午後1時に青山生涯学習館の学習室にスタッフを含む21名が集合。伊藤さんは、根津美術館の説明から始め、今回の展覧会「国宝・燕子花図と藤花図、夏秋渓流図―光琳・応挙・其一をめぐる三章」が取り上げた尾形光琳、円山応挙、鈴木其一について、日本絵画全体の大きな流れとともに解説してくださいました。日本は何につけ中国から大きな影響を受けていること、平安時代から日本の世俗的主題を取り上げた絵が現れ、それを「やまと絵」と呼ぶようになったこと、それに伴い中国伝来の花鳥や山水を主題とする絵画を「唐絵(からえ)」と呼ぶようになったことなどを教えていただきました。
「琳派」と呼ばれる画風の創始者は、風神雷神図屏風を描いた俵屋宗達なので、昔の美術史の先生は「この呼び名は間違い」と使わないように戒めていたけれど、そうした先生たちが亡くなると研究者も世に流布する「琳派」を使うようになった。こんなエピソードは、研究者ならではの秘話(?)として印象に残りました。
集まったのは講師を含め1963年卒から2004年卒までの21人でした。講義と質疑応答が終了すると、恒例の1分自己紹介。そのあと根津美術館まで歩き、玄関前で集合写真を撮ってから自由鑑賞となりました。
初めて対面した燕子花図。印刷で見慣れていた鮮やかな色合いとは違うなあというのが第一印象でしたが、椅子に座ってしばらく鑑賞し、充実のひとときを過ごせました。
企画していただいたイベント委員会と講演者の伊藤紫織さんに心から感謝します。 (高橋真理子)



