第6回東京大学ホームカミングデイで『さつき会パネルディスカッション』
さつき会のあけぼのと今~男女共同参画の歩み~
さつき会誕生の時代背景を振り返りながら、各世代の実感から男女雇用機会均等法
施行前後での職場環境の変遷と、さつき会活動の意義について

日時:2007年11月10日(土)午後14時30分~16時30分
場所:東京大学本郷キャンパス工学部2号館222号室
パネリスト:
赤松良子さん (53法)
永沢裕美子さん(84育)
宮地美樹子さん(92文)
山本基世さん (00法)
コーディネーター:堀井紀壬子さん(69経)

* 男女雇用機会均等法の旧正式名称:雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等女子労働者の福祉の増進に関する法律(1986年4月施行)

感想:
《生の歴史を見た!パネルディスカッション》
映画でもない、小説でもない。
歴史を作り出した人物の生の話を聞く迫力を体験したことありますか?
『さつき会パネルディスカッション』は、まさに戦後から現在に至るまでの女性の社会進出の歴史を駆け足で見せてもらったような2時間でした。

さつき会の創設者の一人であり、また男女雇用機会均等法制定の功労者である赤松良子さん。ゆっくりとした口調で語られる1950-60年代の女性差別の実態や、男女雇用機会均等法の制定に至った政治の動きなどは、会場にいたすべての人を飲み込むような迫力で、今まさに歴史を作った人物と同じ空気を吸っているという感動で胸がいっぱいになりました。

1980年代前半、男女雇用機会均等法施行直前に就職活動された永沢裕美子さん。女性にとってまだまだハードルの高かった就職活動とパイオニアとしての活躍、そして子育てで悩んだことなどを率直に話してくださいました。エリートカップルの子育て、と世間から見られることの重圧はまさに共感できるものでした。

1990年代バブルの余韻残る時代に就職活動をした宮地美樹子さん。就職は楽だったものの、仕事を始めてから上司が女性の扱いになれていないため苦労した話。また本人の転職の経験を基にした働きやすい職場の分析などはとても興味深いものでした。

2000年、バブル後の大不況の時代就職活動をした山本基世さん。男女の差別というのはもはや感じられなくなっていたものの、学歴偏重主義に対する逆風の吹いていた時代。バリバリ仕事をする『バリキャリ』がカッコいいとがんばっていた彼女たちに、突然襲いかかった『負け犬の遠吠え』の出版。はきはきとした彼女の口調からその戸惑いがひしひしと伝わってくるようでした。

最後に男性代表のコメンテーターとして発言してくださったのが1979年工学部大学院修士課程を修了され、(株)東芝で様々な働く女性を見てこられた安田洋史さん。均等法成立前は、女性に仕事を任せることへ不安があったり実際にやめてしまう女性が多かったものの、現在は管理職で活躍する女性も多くなるなど、男女差はほとんど問題にならなくなってきている感じがするというお話でした。

それぞれの人の体験はその時代を映し出す鏡であり、タイムマシンに乗って1950年代からの時間遊泳をしたような素敵な気分になりました。日本における女性の社会進出は確実に進んできたのですね。会場にいた全ての人たちが、自分と同じ時代の人の話を聞いて共感したり、昔を懐かしみ、また別の世代の人の話を聞いて目から鱗のような新鮮な気持ちになったことでしょう。

時代を動かす人たちの生の声を聞ける“さつき会”って素晴らしい!!

(92年文)金沢 亮子